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「終の信託」

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洗濯したばかりの白いベッドカバーにマロンが粗相をしてしまい 洗い直し。
昨夜お風呂に入ってる時、クンクンと泣いてたからどうしたのかな?と思ってたら 寂しくてお漏らししてしまったようです。
応急処置でつまみ洗いしておきましたが ふっーと夫の看護の時の事思い出してしまいました。
夜更けにお風呂場でシーツや浴衣を洗ったなぁ〜。

今、ラジオで周防監督の「終の信託」について語っていますが 終末医療については 人それぞれに生き方が違うから難しい問題です。

14年もの長い期間次々に病に冒されていた夫でした。
ある時、長年かかっていた医療機関で「いずれ終末が訪れるから延命治療について話し合っておいて下さい!」と診察の度云われていましたが 夫はそうなる事を受け入れられなかったようで何も話そうとはしませんでした。
「受け入れてくれる地域の医療機関へ移るように」と云われた時は心細かったけど次の病院を探さない訳にはいかない。
でも脊髄小脳変成症、肺がん、リンパがんの難病患者を受け入れる機関は中々なくて.....

そんな折、肺炎を起こして一度は断られた病院へ入院出来たのは運が良かったというべきか?
その病院では脳神経科の治療は不可でしたが優秀で人格者の内科医に巡り会えたのは本当に有り難い事でした。
その内科の主治医は自宅で家族に看取られるのが幸せな終末、と云う持論でしたのでその方の論文を拝読したりお話を伺って私も同じ思いに至りました。

「こんな状態の人を自宅に帰す?気の毒で言う言葉がありません」介護認定に立ち会った市の介護課の方が悲痛な面持ちで私を見つめられたのを「大丈夫ですよ!」と笑って応えられたのは自分でも不思議でした。
人様には決してお薦め出来ない程壮絶な看護の日々でしたし 果たして夫にとってその状態が幸せだったのか未だに確信が持てないでいます。 
回復を信じていた夫に「治ったら長崎へ帰ってブリのお刺身を食べようね!」と語りかけると笑みを浮かべていましたが その頃はこうして私が長崎で暮らす様になるなんて思いもしない事でした。
人生、どう変わるか?分かりませんね。

一人で自宅看護という大変な事を笑顔で出来るなんて其れは愛?なんて良く聞かれましたが 自分でも分からない!
強いて云えば使命感!かなぁ〜
人はいざとなれば何でも出来るのです。

思うに、自分の終末、それは書き残しておくのが後に残る人への配慮ではないかと。
「延命はしないで欲しい!」と口約束していても いざ其の時になると「そう云ってましたら.....」と決断を下すのは辛過ぎて容易な事ではありませんものね。
どんな最期が一番良いのか?
其の人の生き方によって様々だと思います。
常日頃から理解を深めておくのが大切かもしれない。

私? 人のお世話をする事は厭いませんが 自分が人様の手を煩わせるのは心苦しくて堪え難く思うので過度の延命は避けたいと思っています。

「終の信託」
夫の死からの年月がまだ浅くて 観るのはつらいかな。
Commented by tawrajyennu at 2012-11-02 21:51
こんばんは!マロンちゃん、あひるのぬいぐるみとおねんねで
可愛いですね。

ご主人様、脊髄小脳変性症だったのですね。
実は義母もこの夏、脊髄小脳変性症もその1つであるという
多機能萎縮症と診断されました。
基本的に自宅療養の病気だといわれ、自宅で診ています。
同じように病院の医師からは、終末の時や食べられなくなった時に
どうするかを家族で決めておくように言われました。
年も年なので、延命措置はしないと夫も義妹も言っていますが
いざという時に、本当にそうできるかというと迷うでしょうね。
私は日ごろ、家族には延命しないでほしいとは言っていますが
ちゃんと書面にしておくのがいいのですね。
Commented by fuchanmama at 2012-11-03 00:35
タワラジェンヌさん
お義母さん、ご病気なのですね。
いざと云う時の判断は辛いものです。
主人の場合は気管切開をしましたので経管経腸栄養法(鼻注入)で栄養を補給しました。
2年もの間、口から食事をとれなかったので可哀想でした。
家族にとってはどんな姿でも生きていて欲しい!と思う気持ちがあり、延命を望んでしまいますが果たしてそれが本人にとってそれが良い事なのか悩む所ですね。
延命措置を試みなかった友人が「自分の一言で主人の命が絶たれたと思うとずっと胸の痛みが消えなかった!」と云ってた人が居ましたが苦渋の選択を迫られる其の時の決断は本当につらい!
後に残った人にそんな思いをさせない為にも書面にしておくのが良いのではないかと思います。
多機能萎縮症、辛いご病気ですね。
ご心痛、お察しします。
by fuchanmama | 2012-11-02 12:46 | | Comments(2)

夕日が美しい部屋からの便り


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